沖縄飲食合同運動会 開催記念特別対談

2015年11月15日、沖縄にも冬の気配が訪れ始めた頃、「第一回 沖縄飲食合同運動会」が盛大に開催されました。参加飲食店は107店舗にのぼり、沖縄飲食業界の歴史に残るイベントとなりました。

その開催を記念して、大会主催で沖縄の飲食業界を牽引する、みたのクリエイト田野社長と、本誌編集長である田中社長の対談が実現。
 今回、若い経営者の二人に業界の「見据える未来」についてうかがいました。

みたのクリエイト 田野治樹社長 画像
田野治樹
株式会社みたのクリエイト代表取締役社長
1977年生まれ沖縄県出身。23歳で独立。「目利きの銀次」「いぶし銀次郎」「生け簀の銀次」 「グリル銀次」など国内7業態16店舗。香港4店舗、タイ2店舗、海外6店舗。合計22店舗経営
ちゅらグルメ 田中祐樹社長 画像
田中祐樹
株式会社パムローカルメディア代表取締役社長
1986年生まれ京都府出身。ちゅらグルメ編集長「ちゅらグルメ」・「ランチマップ」など、地域に根ざしたメディアを運営

今日は業界の未来を語るということなのですが、田野さんとこうやって改めて話すとなると照れますね。

そうですね。こんなとこに呼び出されてなんかされるのかと思いましたよ。

何もしないですよ(笑) では、いきなり本題で恐縮なのですが、テーマの「見据える未来」、田野さんはどんなことを考えられていますか?

考えて実行できる人を増やす

そうですね。沢山あるのですが、あえて言うのであれば、みたのクリエイトでは、「イノベーター計画」という、いわゆる下から提案していくボトムアップでもなく、上からの指示で動くトップダウンでもない、ミドル層の改革を行っています。  具体的に言うと、従業員みずからが会社に提案をして、それに対して会社は予算を投資する。その投資において従業員が企画運営して出た利益はその社員が有するというものです。

すごいですね。田野さんならではの思い切りのいい仕組みですね。社員の反応はどうですか?

とてもいいですね。従業員の意識が変わってきているし、やらされるのとは責任感がまったく違う。今はそういった改革の真っ最中ですね。そういう田中さんは媒体業で「見据える未来」として何か考えていることはありますか?

時代の半歩先の情報を発信し続ける

私は、時代の半歩先をいくことを常に考えています。フリーペーパーであるちゅらグルメにおいても、掲載において裏にルールを引いています。それは、内観、外観、料理を一定割合で掲載する。基本、人物を掲載しないなど。読者が自然に「料理」や「雰囲気」を見て選びやすいように心がけて作成させていただいています。広告としてルールを引くのは、それ自体、非常に難しいことなのですが、そこにチャレンジしています。

そうなんですね。そう説明されてみるとおもしろいですね。違う業界の話を聞くと刺激になりますね。

みたのクリエイトは沖縄の飲食業界を牽引されていますが、これから更なる成長としては、どのようなことにチャレンジしていこうと考えていますか?

ブランドと高付加価値

時代は変わってきています。時代によって、女性の美しさに対しての違いがあるように、変化しています。

すごい例えですが、わかります。その感覚。

その時代の流れを考えると、今後の沖縄の飲食業界は「栄町」や「公設市場」といった今までメジャーではなかったエリアでの小規模店が増えていくと思います。  しかし、弊社はあえて他とは違う路線でいこうと考えています。

時代の流れにあえて差別化するのですね。

今年春頃にオープン予定の新店舗はまさにそうです。ターゲットは「グローカル」。グローバルでありながら、ローカルにいる人たち。米軍基地の方たちです。料金設定もアッパー層に向けて設定して、来店そのものがステータスと感じられるように検討しています。

「ブランド感を作って提供していく」ような感じですか?

そう、まさに「ブランド」を作っていくのです。そのような展開を考えています。田中さんもぜひ、今後の展開について教えてください。

弊社においては、ちゅらグルメだけでなく、ユーザー課金型の「ランチマップ」というランチに特化した媒体に力を入れています。

あー、コンビニでも見たことあります。たしか1000円ですよね?

そうです。1000円で書店やコンビニで販売しています。今後、「必要な情報だけを買う」時代がくると考えています。尊敬している方の情報にお金を払うとか、このコミュニティの情報は間違いないから、その情報ならお金を出すとか。

すごいわかります。好きな情報しかほしくないですもんね。

そういった、高付加価値な情報を多く発信していきます。そして誌面だけでなく、WEBで販売をすることで、インターネットからどこでも情報がとれるよう取り組んでいます。高付加価値な情報をユーザーに買ってもらう時代を媒体業として牽引していきたいです。

それは賢い。よく考えましたね。

最後に、今回のきっかけとなった「沖縄飲食合同運動会」は田野さんはどういった考えで主催されたのか教えていただけますか?

お客様へのサービスレベルの向上

実は社内のモチベーションアップのために、開催しようと考えたんです。そして集まっていただいた飲食店にとっても、楽しんでもらえればそれでいいと思ってやりました。  運動会や社内での行事は、従業員同士のコミュニケーションも高まる。それは結果として、お客様へのサービスレベルの向上につながるんです。

その思いで、100店舗を超えるお店を集められるってすごいですね。

16社107店舗、来場者613名集まってくれたことに感謝しています。

運動会をやってみていかがでしたか?

良かったですよ。しかも、一位でしたからね(笑) まだ図っていませんが、従業員満足度も高くなると思います。

さすが、田野さんですね。次回の運動会もとても楽しみです。そろそろ時間も迫ってきました。本題の「見据える未来」ですが、考えて実行できる人を増やすことや、ブランドをつくるなど沢山の話が聞けてよかったです。とても参考になりました。これからも業界をさらに盛り上げるべく、共に頑張っていきましょう!  弊社も第二回沖縄飲食合同運動会を応援していきます!

対談の模様
  • 沖縄飲食合同運動会 開催レポート